基礎知識

相続人全員が相続放棄してもおわりではない?!

相続は誰もが経験することですね。
今回は、意外と多いケースをご紹介します。


相続放棄とは・・・相続人が被相続人の権利義務を受け継がないこと
相続放棄の期限・・・自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内
(被相続人が亡くなったことを知った時から)



【相続人全員が相続放棄したら】
相続放棄したら後はノータッチとは限らない。
最後に相続放棄した相続人には、財産管理権が残ります。
次の管理者(相続財産管理人)に引き渡すまでは、自分の財産と同じレベルの注意をもって管理・保存する義務が発生します。

■空き家の場合

誰も住まなくなって空き家となっている家屋を相続放棄した。
空き家が倒壊するなどして第三者に損害を与えた場合は、最後に相続放棄した相続人に損害賠償責任が命じられます。
相続放棄した以上空き家の解体・売却はできませんが補修はできます。
でも、遠方にお住まいの場合、塀や屋根の様子をつねにみていられないですし、補修するにもお金がかかりますね。


■家の片付け

相続放棄したら原則家の片付けはできません。
遺品を勝手に処分したり形見分けすると、相続したとみなされてしまいます。
ごみの放置が原因で悪臭や害虫被害などで近隣住民とトラブルになる可能性があります。今まで故人がお世話になったことを考えると、心情的に迷惑をかけたくないですね。

【解決策】
相続放棄をしたら、一刻も早く「相続財産管理人」を家庭裁判所に申し立て選任しましょう。相続財産管理人とは、遺品や遺産を管理する業務を行う人。相続財産管理人を選任したら、最後に相続放棄した相続人の財産管理権も消滅します。

関連記事